カムイの気持ち

「しくじり先生」を観た後の『銀河鉄道の夜』



 いきなりアマゾンの画像ですいません
ホントはもっと大きな画像を使いたかったんだけど仕方なく…

―えっと、
以前は大阪市立科学館で上映されたCGアーティストのKAGAYAさん版の『銀河鉄道の夜』について、当ブログで紹介させていただきましたが、
今回は猫の漫画で有名な漫画家、ますむらひろし原案の方をご紹介したいと思います。

…と言っても、私がこの作品を観たのはついこの間、動画サイトでなんです
実は未だに宮沢賢治の原作を読んでないんですよね!
そのうち読もうと思いながら…今度、古本屋に行ったら探さなくっちゃ

 なんでまた『銀河鉄道の夜』について書きたくなったかと言うと…
ちょっと前にTVの「しくじり先生」で話上手のお笑い芸人オリラジ・中田のあっちゃんがこの作品を解説してくれたからなんです。
彼の話を聞いて、今まで「?」と思っていたことがやっと解けて改めて、「賢治すごい」と思ったのです。

 「しくじり先生」では、銀河鉄道のイメージをよく現したものとして、KAGAYAさんのCG映像を紹介していました。

「銀河鉄道の夜」チラシ

これをプラネタリウムの全天映像で観た時は、あまりの美しさに自分も同乗しているかのような気分でした。
しかしこの作品では、原作のエピソードがピックアップされてどちらかと言うとイメージを味わう作品だったので、全体の話はちょっとよくわかりません。
私がこの作品を知ったのは随分昔にラジオ小説で途中から聴いたものでしたから、
カンパネルラが消えて、最後にジョバンニが彼が川に落ちて死んだと聞かされて悲しむところしか知らなかったのです。

―なので、
ちゃんと頭から知りたいと思い、動画サイトにあったこの猫に擬人化された『銀河鉄道の夜』を観たわけなんです。
ロードショー当時もこの作品のことは知っていたんですが、映画館までは観に行かなかったんです。
ますむらひろしの漫画も、月刊誌「マンガ少年」(この時は松本零士の『ミライザーバン』目当て)でちょこちょこ目にしてたから、きっと素敵なファンタジー作品になってるとは思いつつ…

それで、観た感想は…
猫ちゃんたちの眉毛がないのと彼らの言葉が少ないので、感情がわかりにくくて理解できない部分が結構ありました。
同じクラスの仲間にいじめられてるのにあんまり感情を出さないジョバンニ。
そんなジョバンニを見ても何も言わない昔の親友のカンパネルラ。
いじめられてる…と言っても、ジョバンニのお父さんの悪口の「らっこの上着」がなんで悪口なのかよくわかりませんでした。
そこは、「しくじり先生」であっちゃんが解説してくれたのでわかりました♪
「らっこの上着=密猟者」…ってことだったんですよね。

その他にも、
クラスの仲間が星まつりで浮かれてるのに、ジョバンニだけ印刷所で活版の文字を集めるアルバイトしてて…
子どもが印刷所で?…と不思議だったのですが、
当時は子供がそういう仕事をして家計を助けていたというのを番組で写真付きで解説してくれて納得しました。
それだけでもジョバンニはちょっと可哀想な状況の生活をしているのだなと想像できるのですが、家に帰ったら今度はお母さんが病気で、その上、配達されるべく牛乳も届いていない!
…なんて、ホント、あっちゃんの言う通り暗くなります
(ことごとく、ついていない時の自分と重なる…

村人が浮かれて星まつりに行く中、ジョバンニは牛乳屋さんへ行きますが、
そこでも、冷たく「明日配達するから今日はもうない」とあしらわれます…もう~なんやねん
ジョバンニは感情をあらわにすることなく、ただ一人草むらに寝転がるのですが…

そこに天から汽車が降り立つのです!
ここはちょっと「999」のイメージと重なりますが、「999」とは違って車掌さんはいないし、空も飛びません。
天の川も地上で流れ、それに沿い汽車は走ります。ジョバンニとカンパネルラを乗せて…

ここで、なんで突然カンパネルラが出てくるのか不思議です。
彼は学校の仲間たちと星まつりに行ってるはずなのですから。
学校ではジョバンニに語り掛けることはなかったのに、汽車の中ではずっと一緒だったかのようにジョバンニに優しく接します。
そして二人は北十字から南十字まで旅を続けます。

この、色々な駅に降りて変わった人たちに会うところは「999」みたいな感じで、
ずっとこのまま二人の旅が続いていくといいなぁー素敵だなーと、ファンタジーの世界に浸っていられるのですが、
途中、たくさんの乗客が乗ってくるところがあります。
その人たちは乗っている船が氷山にぶつかって…というくだりがあります。身体も濡れています。
その時は、(ああこの人たちは船の事故で死んだのかぁ)ぐらいにしか思っていなかったのですが、
「しくじり先生」では、この人たちはタイタニック号に乗っていた人たちだと言うのです。

ええ!?そんなこと初耳!!…と驚きました。

あの…レオ様が海の中に沈んでいったタイタニック…
宮沢賢治はこの世界的に知られた海難事故を新聞で読んで知っていたそうです。
そんな歴史的なことも織り込んでいたなんて…
余計にグッと来ました。

この人たちは南十字星の見える丘に「ハレルヤ!」と口々に叫びながら汽車を下りていきました。
カンパネルラは「お母様は僕を許してくれるだろうか…」とつぶやいています。
もうこの時点で、カンパネルラもこっちの世界の人じゃないとわかります。
「僕たちずっと一緒にいようね!」と、不安な気持ちでカンパネルラの方を振り向くともう彼の姿はありませんでした。

このラスト辺りしか知らなかったのですが、大体つながりました。
「しくじり先生」のあっちゃんの解説もあって、
銀河鉄道がこの世とあの世の間を走っている鉄道ということもわかりました。

ただわからなかったのが、
カンパネルラの死を知った彼の父親が案外冷静で、ジョバンニに「お父さんがもうすぐ帰ってくるよ」と教えてくれるのですが、
それが最後に何を示唆しているのかということ。
親友の死と父親が帰ってくる喜び。
ジョバンニは母の元へ走ります。泣いてはいませんでした。

これは人の死というものを悟って悲しみから立ち直り、
前を向いて生きていこうという表れなのかな…と思いました。

ひょっとしたら、
カンパネルラはジョバンニの手の届かない憧れの人で話すこともできなかったけど、
汽車の中ではずっとジョバンニに寄り添ってくれた。
あれはジョバンニの願望の現れだったのかもしれません。
そんな素敵な友人は現実世界で中々できるものではありません。
「ずっと一緒」というのは心の中にいてほしい、ということだと思います。
心の中にいる素敵な理想の友人。
それはつまりもう一人の完全な自分、ということなのかも…

「パーフェクト・ヒューマン」のあっちゃんが解説したのもなんか頷ける気がします


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